【高配当株・個別株実践編 第10回】自分なりの高配当株投資ルールを作ろう|銘柄選び・買い時・売り時を整理する

FIRE・資産形成

高配当株について調べていると、

たくさんの情報が出てきます。

配当利回り。

配当性向。

EPS。

PER。

PBR。

キャッシュフロー。

増配率。

DOE。

累進配当。

どれも、

投資判断に役立つ情報です。

でも、

知識が増えてくると、

別の悩みも出てきます。

「結局、自分は何を基準に投資すればいいのだろう?」

ということです。

利回り4%なら買う?

PER10倍以下なら買う?

増配企業なら買う?

株価が20%下がったら買い増す?

減配したら売る?

さまざまな考え方があります。

ただ、

すべての投資家に当てはまる、

一つの正解があるわけではありません。

だからこそ、

高配当株投資を長く続けるのであれば、

少しずつ、

「自分はこういう会社へ、こういう考え方で投資する」

というルールを作っていくことが大切だと思います。

高配当株・個別株実践編の最終回となる今回は、

これまで考えてきたことを振り返りながら、

自分なりの投資ルールを作ってみたいと思います。


なぜ投資ルールが必要なの?

株式市場では、

毎日のように株価が動きます。

昨日まで上昇していた株が、

突然下がる。

決算発表で急騰する。

悪いニュースが出て、

大きく売られる。

そんなことが起こります。

すると、

私たちの気持ちも動きます。

もっと上がりそうだから買いたい。

下がって怖いから売りたい。

高配当だから買いたい。

含み損だから買い増したい。

こうした感情そのものが、

悪いわけではありません。

でも、

その場その場の気持ちだけで判断していると、

投資方針が変わり続けてしまいます。

そこで役立つのが、

自分なりの投資ルールです。


投資ルールは「未来を当てるもの」ではない

投資ルールを作れば、

必ず利益が出る。

というわけではありません。

どれだけルールを作っても、

株価は予想と違う方向へ動きます。

良い会社だと思って買っても、

業績が悪化することがあります。

増配を期待していても、

減配することがあります。

それでもルールを作る意味があります。

それは、

判断の軸を持つため

です。

何となく買う。

何となく売る。

ではなく、

「この条件だから買った」

「この条件が変わったから売った」

と説明できる。

すると、

結果が良かったときも、

悪かったときも、

自分の投資を振り返ることができます。


STEP1 まず「何のために高配当株へ投資するのか」を決める

投資ルールを作る前に、

最初に考えたいことがあります。

それが、

投資の目的

です。

例えば、

将来の配当収入を増やしたい。

老後の生活費の一部を配当でまかないたい。

給与以外の収入源を作りたい。

配当を再投資して資産を育てたい。

将来の働き方の選択肢を増やしたい。

同じ高配当株投資でも、

目的は人によって違います。


目的が違えば、選ぶ株も変わる

例えば、

現在の配当収入を重視するなら、

ある程度高い配当利回りが必要かもしれません。

一方、

10年、20年先の配当収入を育てたいのであれば、

現在の利回りだけではなく、

利益成長や増配余力を重視する考え方もあります。

だからこそ、

銘柄を探す前に、

「自分は高配当株によって何を実現したいのか」

を考えておく。

ここが、

投資ルールの出発点になります。


STEP2 どんな会社へ投資するかを決める

次に、

自分が投資したい企業の条件を考えます。

例えば、

次のような項目です。

・長期的に利益が安定している

・EPSが中長期で成長している

・営業キャッシュフローが安定している

・財務に大きな不安がない

・増配傾向にある

・減配が少ない

・株主還元方針が明確

・業界内で競争力がある

・将来も需要が期待できる事業を持っている

すべてを満たす会社を探す必要はありません。

自分が特に重視したいものを決めます。


「絶対条件」と「できれば欲しい条件」を分ける

銘柄選びの条件をたくさん作ると、

すべてを満たす企業がなくなってしまうことがあります。

そこで、

条件を二つに分けてみます。

絶対条件

満たしていなければ、

基本的に投資しない条件です。

例えば、

長期的に利益が出ている。

財務に重大な問題がない。

配当を無理なく支払える。

事業内容を自分なりに理解できる。

できれば欲しい条件

満たしていれば、

より魅力的だと考える条件です。

例えば、

連続増配している。

業界上位である。

累進配当を掲げている。

海外にも収益源がある。

高い参入障壁を持っている。

このように分けると、

銘柄選びが少し整理しやすくなります。


STEP3 配当についてのルールを決める

高配当株投資ですから、

配当についても基準を持っておきます。

例えば、

配当利回りだけでは判断しない。

これだけでも、

一つの立派なルールです。

そのうえで、

配当性向。

過去の配当実績。

増配傾向。

キャッシュフロー。

株主還元方針。

などを確認します。


「利回り○%以上」は絶対条件にしなくてもいい

例えば、

「配当利回り4%以上しか買わない」

というルールを作る方法もあります。

もちろん、

それが自分の投資目的に合っているなら、

問題ありません。

ただ、

利回りだけを固定すると、

魅力的な企業を見逃すこともあります。

現在の利回りは3%。

でも、

利益が成長している。

増配を続けている。

財務も健全。

将来的に、

自分の購入価格に対する配当利回りが高くなる可能性もあります。

そのため、

「最低利回り」だけでなく、「増配余力」も見る

というルールも考えられます。


STEP4 「いくらなら買うか」を考える

良い会社を見つけた。

だから、

すぐ買う。

とは限りません。

シリーズ第5回でも考えたように、

「良い会社」と「今買いたい株価」は別

です。

配当利回り。

PER。

PBR。

過去の株価水準。

利益成長。

などを確認しながら、

現在の株価で投資したいかを考えます。


「買いたい会社リスト」を作っておく

一つおすすめしたいのが、

投資候補企業を、

あらかじめ一覧にしておくことです。

例えば、

A社。

長期保有候補。

現在は少し割高。

配当利回り4%前後になったら再確認。

B社。

増配期待あり。

PERが過去の平均付近まで下がったら検討。

C社。

現在でも購入候補。

ただし、

一度に買わず分割購入する。

このように、

「欲しい会社」と「買いたい条件」

をセットで整理します。

すると、

市場が大きく下落したときにも、

慌てて銘柄探しをする必要がありません。


STEP5 一度に買うか、分けて買うかを決める

どれだけ分析しても、

株価の底は分かりません。

買った翌日に、

10%下がることもあります。

反対に、

もう少し待とうと思っていたら、

そのまま上昇することもあります。

そこで、

購入ルールとして、

分割購入

を取り入れる方法があります。

例えば、

最初に予定額の30%。

さらに魅力的な株価になったら30%。

決算を確認して残り40%。

といった方法です。

もちろん、

毎回同じ割合にする必要はありません。

重要なのは、

最安値を当てることを投資の目標にしないこと

です。


STEP6 買い増しの条件を決める

保有株が下落すると、

買い増したくなることがあります。

でも、

「下がったから買う」

だけでは、

危険な場合があります。

そこで、

買い増しについてもルールを作ります。

例えば、

株価が下落しただけでは買い増さない。

業績を確認する。

投資した理由が変わっていないことを確認する。

ポートフォリオ内の保有比率を確認する。

そのうえで割安だと判断した場合に買い増す。

という順番です。


「何%下がったら買う」だけにしない

例えば、

購入価格から10%下落したら買い増す。

というルールは、

とても分かりやすいものです。

でも、

企業の利益が大きく悪化して、

株価が10%下落した場合もあります。

その場合、

以前より10%安くなったというより、

企業価値そのものが変わった可能性があります。

だからこそ、

価格のルールと一緒に、

企業の状態を確認するルール

も持っておきたいところです。


STEP7 保有中に何を見るかを決める

株を買ったら、

終わりではありません。

企業は、

その後も変化していきます。

だからといって、

毎日株価を見る必要もありません。

長期保有を前提にするなら、

決算などのタイミングで、

定期的に確認する方法があります。

例えば、

売上・利益はどうなっているか。

EPSは伸びているか。

キャッシュフローに問題はないか。

配当予想は変わっていないか。

株主還元方針に変更はないか。

事業環境に大きな変化はないか。

などです。


株価より「投資した理由」を確認する

保有中に最も確認したいのは、

株価そのものではなく、

自分がその会社を買った理由が今も残っているか

だと思います。

例えば、

安定した利益を評価して買った。

↓

利益は今も安定しているか。

増配を期待して買った。

↓

利益成長や増配余力は残っているか。

業界内での競争力を評価した。

↓

その強みは維持されているか。

買った理由と現在を比較する。

これなら、

決算を見る目的も明確になります。


STEP8 売却ルールを決める

高配当株では、

長期保有を前提にすることが多いと思います。

だからこそ、

売却ルールも重要です。

例えば、

株価が下がっただけでは売らない。

株価が上がっただけでも売らない。

そのうえで、

企業そのものに変化があった場合に、

売却を検討します。


「何円になったら売る」より「何が変わったら売る」

例えば、

売却を検討する条件として、

次のようなものがあります。

・利益を生み出す力が構造的に低下した

・減配し、回復も期待しにくい

・競争力が大きく低下した

・財務が大きく悪化した

・株主還元方針が自分の目的と合わなくなった

・一社への投資比率が大きくなりすぎた

こうした変化です。

株価が何%下がったかではなく、

企業や自分の投資方針に何が起きたか

を基準にします。


STEP9 ポートフォリオのルールを決める

一社一社の銘柄選びだけでなく、

全体のバランスについても、

自分なりの目安を作ります。

例えば、

一社へ資産を集中させすぎない。

特定業種だけに偏らない。

配当収入が一社へ集中しすぎない。

同じ経済要因で動く企業ばかりにしない。

といった考え方です。


銘柄数そのものを目標にしない

10銘柄。

20銘柄。

30銘柄。

何銘柄持てばよいのかは、

人によって違います。

大切なのは、

銘柄数を増やすことではありません。

一つの企業や一つの出来事によって、資産形成全体が大きく崩れない状態を作ること

です。

そして、

自分が企業を確認できる範囲にする。

この二つのバランスを考えたいところです。


STEP10 配当金をどうするか決める

前回は、

配当金の使い方について考えました。

ここも、

自分なりのルールを作ることができます。

例えば、

資産形成期は、

配当金を基本的に再投資する。

ただし、

一部は旅行や趣味に使う。

あるいは、

年間配当が一定額になるまでは再投資する。

その後は、

一部を生活に使う。

といった方法です。


再投資先も決めつけない

A社から受け取った配当だから、

A社を買い増す。

と決める必要もありません。

A社が割高なら、

別の高配当株へ投資する。

ポートフォリオが偏っていれば、

別業種へ投資する。

個別株が増えすぎていれば、

ETFや投資信託へ回す。

買いたいものがなければ、

現金として待つ。

配当金を、

その時点で最も納得できるところへ配置する

という考え方もあります。


自分の高配当株投資ルールを作ってみよう

ここまでの内容を、

一つにまとめてみます。

例えば、

こんな形です。


私の高配当株投資ルール

① 投資目的

長期で配当収入を育て、

将来の生活や働き方の選択肢を増やす。

② 投資する企業

長期的に利益を生み出せる企業を中心にする。

財務に大きな問題がなく、

株主還元にも積極的な企業を選ぶ。

③ 配当

現在の利回りだけで選ばない。

配当性向、利益、キャッシュフロー、増配余力まで確認する。

④ 購入

良い企業でも、

株価が高いと感じたら待つ。

必要に応じて分割購入する。

⑤ 買い増し

株価下落だけを理由に買い増さない。

企業への評価が変わっていないことを確認する。

⑥ 保有

決算などを定期的に確認する。

日々の株価だけで判断しない。

⑦ 売却

含み益・含み損だけで判断しない。

投資した理由が失われたときに売却を検討する。

⑧ 分散

一社や特定業種へ集中しすぎない。

資産額だけでなく、

配当収入の偏りも確認する。

⑨ 配当金

資産形成期は再投資を基本とする。

ただし、

自分の生活を豊かにするために使うことも選択肢にする。


もちろん、

これは一つの例です。

そのまま使う必要はありません。

自分が重視したいことを加え、

必要ないものを外していきます。


ルールは一度作ったら終わりではない

ここも、

大切なところです。

投資ルールは、

一度決めたら一生変えてはいけないものではありません。

投資を続ければ、

経験が増えます。

以前は重視していなかった指標が、

大切だと分かることもあります。

反対に、

細かく決めすぎていたルールを、

シンプルにしたくなることもあります。

だから、

例えば年に一度、

自分の投資ルールを見直してみる。

そんな方法もあります。


「結果」ではなく「判断」も振り返る

投資を振り返るとき、

株価だけを見ると、

こんな評価になりがちです。

上がった。

成功。

下がった。

失敗。

でも、

それだけではありません。

例えば、

十分調べたうえで、

自分のルールに従って買った。

その後、

予想できなかった出来事によって株価が下がった。

これは、

結果として損失になったとしても、

判断の仕方そのものが間違っていたとは限りません。

反対に、

何も調べず、

話題になっていたから買った。

たまたま株価が上がった。

結果は利益でも、

同じ投資を続ければ、

いつか大きな失敗につながるかもしれません。

だからこそ、

「儲かったか」だけではなく、「自分のルールに沿って判断できたか」

も振り返りたいところです。


投資記録を残してみる

自分のルールを育てるために、

投資記録を残す方法もあります。

難しい日記を書く必要はありません。

例えば、

購入時

なぜこの会社を買った?

何を評価した?

どんなリスクがある?

なぜ今の株価で買った?

何が変わったら売る?

保有中

当初の投資理由は残っている?

業績は想定どおり?

配当方針は変わっていない?

売却時

なぜ売った?

最初の投資理由の何が変わった?

今回の投資から何を学んだ?

これくらいでも、

後から振り返ると、

自分の投資傾向が見えてきます。


他人の投資ルールを、そのまま自分のルールにしない

投資について調べていると、

いろいろな考え方に出会います。

配当利回り4%以上。

PER○倍以下。

10銘柄以上に分散。

○%下落したら買い増し。

○%上昇したら利益確定。

参考になるものは、

たくさんあります。

でも、

そのルールを作った人と、

自分では、

資産額も違います。

年齢も違います。

収入も違います。

家族構成も違います。

投資目的も違います。

リスクへの考え方も違います。

だからこそ、

他の人のルールは参考にしながら、

最後は自分の目的に合う形へ変えていく

ことが大切です。


迷ったときに戻れる場所を作る

投資を続けていると、

必ず迷う場面があります。

株価が急落した。

買い増す?

売る?

欲しかった株が急騰した。

今から買う?

待つ?

保有株が減配した。

売る?

持つ?

そんなとき、

ニュースや株価だけを見ていると、

判断が揺れやすくなります。

そこで、

自分の投資ルールへ戻る。

私は何のために投資しているのか。

どんな会社を持ちたいのか。

なぜこの会社を買ったのか。

何が変わったら売ると決めていたのか。

一度ここへ戻ることで、

少し落ち着いて考えることができます。


完璧なルールを作らなくてもいい

ここまで、

いろいろなルールについて考えてきました。

でも、

最初から完璧な投資方針を作る必要はありません。

例えば、

最初は三つだけでもいいと思います。

① 利回りだけで買わない。

② 株価が下がっただけでは売らない。

③ なぜ買ったのかを記録しておく。

そして、

投資を続けながら、

一つずつルールを加えていく。

自分の経験から、

「これは大切だ」

と思ったことを残していく。

そうすれば、

誰かから教えてもらった投資法ではなく、

少しずつ、

自分自身の投資スタイル

になっていきます。


高配当株・個別株実践編で考えてきたこと

このシリーズでは、

高配当株投資について、

いろいろな角度から考えてきました。

企業をどう選ぶのか。

減配リスクをどう見るのか。

増配をどう考えるのか。

決算のどこを見るのか。

いつ買うのか。

何銘柄持つのか。

いつ売るのか。

配当金をどう使うのか。

そして、

どんな失敗に注意するのか。

一つ一つを見ると、

別々のテーマです。

でも、

最後はすべて、

「自分はどんな会社と長く付き合いたいのか」

という問いにつながっているように思います。


私自身が大切だと思うこと

個別株投資には、

難しいところがあります。

企業を調べても、

将来を完全に予測することはできません。

買った直後に下がることもあります。

売った直後に上がることもあります。

だから、

完璧な投資を目指すと、

とても難しくなります。

でも、

完璧でなくても、

自分なりの軸を持つことはできます。

私は、

どんな企業へ投資したいのか。

何を大切にしたいのか。

どんなときに買いたいのか。

どんな変化があったら、

もう一度考え直すのか。

そうしたことを、

少しずつ言葉にしていく。

すると、

株価の動きだけではなく、

企業そのものを見る時間が増えていきます。

投資は、

誰かと成績を競うものではありません。

一番高い利回りを取らなければならないわけでも、

一番大きな利益を出さなければならないわけでもありません。

自分が納得できる方法で、無理なく続けられること。

その積み重ねが、

長い資産形成では大切なのだと思います。


まとめ:自分の投資ルールは、自分で育てていく

高配当株投資には、

さまざまな考え方があります。

高い配当を重視する。

増配を重視する。

安定性を重視する。

成長性も取り入れる。

どれか一つだけが、

正解というわけではありません。

大切なのは、

自分が何を目的に投資しているのかを理解し、その目的に合った判断基準を持つこと

です。

企業を選ぶルール。

買うルール。

買い増すルール。

保有するルール。

売るルール。

配当金を使うルール。

そして、

ポートフォリオを整えるルール。

最初から、

すべてを決めなくても大丈夫です。

投資を続けながら、

経験したことを一つずつ自分のルールへ加えていく。

ときには、

以前作ったルールを変える。

そうやって、

自分の投資方針を少しずつ育てていく。

高配当株投資で本当に大切なのは、

誰かの正解をそのまま使うことではなく、

自分が納得して続けられる投資の形を見つけること

なのかもしれません。

配当を受け取りながら、

企業の成長を見守りながら、

少しずつ資産を育てていく。

そして、

その資産がいつか、

自分や家族の暮らしに、

新しい選択肢を増やしてくれる。

そんな未来を楽しみにしながら、

焦らず、自分のペースで資産形成を続けていければいいのではないでしょうか。

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