新NISAで投資を続けていると、
こんな疑問を持つことがあります。
「投資信託だけでなく、ETFも買った方がいいのだろうか?」
投資信託とETFには、
似ているところがたくさんあります。
どちらも、
一つの商品を通じて、
多くの企業へ分散投資することができます。
そのため、
「結局、どちらを選べばいいの?」
と迷うこともあるでしょう。
今回は、
ETFそのものの仕組みではなく、
「新NISAの中でETFをどう使うか」
という視点から、
投資信託との違いや使い分けについて考えてみたいと思います。
ETFと投資信託は似ている
まず知っておきたいのは、
ETFと投資信託は、
まったく別のものではないということです。
ETFは、
Exchange Traded Fund(上場投資信託)
の略です。
名前の通り、
投資信託の一種です。
例えば、
日本株全体。
米国株。
世界株。
高配当株。
REIT。
さまざまな指数やテーマへ、
一つの商品で投資できます。
大きな違いは、
ETFは証券取引所に上場している
ということです。
違い① ETFは株式のように売買できる
一般的な投資信託は、
注文した時点では、
実際にいくらで購入できるか分からないことがあります。
一方、
ETFは株式と同じように、
市場が開いている時間に価格を確認しながら売買できます。
例えば、
「この価格になったら買いたい」
という指値注文もできます。
そのため、
自分で購入価格やタイミングを考えたい方
にとっては、
ETFの方が使いやすい場合があります。
違い② 投資信託は「積立のしやすさ」が魅力
一方で、
投資信託には、
非常に大きなメリットがあります。
それが、
積立しやすいことです。
例えば、
毎月3万円。
毎月5万円。
毎月10万円。
あらかじめ設定しておけば、
自動的に購入できます。
さらに、
金額を指定して購入できるため、
毎月決まった金額を投資しやすいのも特徴です。
長期の資産形成では、
この「仕組み化」が大きな力になります。
違い③ 分配金をどう扱うか
ETFを考えるうえで、
もう一つ大きな違いがあります。
それが、
分配金です。
ETFでは、
商品によって分配金が支払われます。
そのため、
定期的に現金を受け取りたい方にとっては、
ETFが魅力的に感じられることがあります。
一方、
投資信託には、
分配金を出さず、
運用で得た利益をファンド内で再投資していくタイプもあります。
資産を積み上げている段階では、
自動的に再投資される仕組みは非常に便利です。
つまり、
「今、現金を受け取りたいのか」
それとも、
「できるだけ手間をかけずに資産を育てたいのか」
という違いも、
選択するときのポイントになります。
新NISAではETFも非課税メリットを活用できる
新NISAでは、
対象となるETFをNISA口座で保有することで、
売却益などを非課税にできます。
対象商品であれば、つみたて投資枠で購入できるETFもありますが、
ETFの選択肢を広げたい場合には、
成長投資枠
を活用することになります。
ここで、
前回取り上げた高配当株との共通点も見えてきます。
例えば、
分配金を受け取りながら長期保有するETFであれば、
NISAの非課税メリットを長期間活用するという考え方ができます。
つみたて投資枠は投資信託、成長投資枠はETFという考え方
一つの使い方として、
2つのNISA枠で役割を分ける
方法があります。
例えば、
つみたて投資枠
→ インデックス型投資信託を毎月積み立てる
成長投資枠
→ ETFを購入する
という方法です。
つみたて投資枠では、
資産形成の土台を自動的に積み上げる。
成長投資枠では、
自分で選んだETFを保有する。
こうすると、
それぞれの商品の特徴を活かしやすくなります。
「高配当ETF」という選択肢もある
前回の記事では、
新NISAで高配当株を保有する方法について考えました。
でも、
一社ずつ企業を分析して、
複数の高配当株を購入するのは、
少し大変だと感じる方もいるでしょう。
そこで選択肢になるのが、
高配当ETFです。
一つのETFを購入するだけで、
複数の高配当株へ分散投資できます。
個別株と比べれば、
一社の業績悪化による影響を抑えやすくなります。
「配当・分配金には興味があるけれど、個別企業を何社も選ぶのは大変」
という場合には、
ETFを活用する方法も考えられます。
ETFを買えば必ず分散できるわけではない
ただし、
ここは注意したいところです。
ETFだからといって、
必ず十分に分散されているわけではありません。
特定の業界に集中したETF。
特定のテーマに投資するETF。
特定の国や地域だけへ投資するETF。
さまざまな商品があります。
例えば、
一つのETFの中に多くの企業が入っていても、
同じ業界ばかりであれば、
実際には偏りが大きい場合があります。
だからこそ、
ETFを選ぶときには、
「何社入っているか」だけではなく、「何に投資しているETFなのか」
を見ることが大切です。
ETFと投資信託、どちらか一つに決めなくてもいい
ここまで比較すると、
「では結局、どちらがいいの?」
と思うかもしれません。
でも、
新NISAでは、
どちらか一つだけを選ぶ必要はありません。
例えば、
資産形成の中心は投資信託。
配当・分配金を受け取る部分はETF。
という使い方もできます。
あるいは、
ほとんどを投資信託にして、
一部だけETFへ投資しても構いません。
大切なのは、
それぞれの商品に役割を持たせること
です。
似た商品を持ちすぎていないか確認しよう
投資信託とETFを組み合わせるときには、
一つ注意したいことがあります。
それが、
中身の重複です。
例えば、
米国株へ幅広く投資する投資信託を持ちながら、
同じような米国株指数へ連動するETFを購入する。
商品名は違っていても、
中身はかなり似ている場合があります。
商品数が増えると、
分散できているように感じます。
でも、
実際には同じ企業を重複して保有しているだけかもしれません。
だからこそ、
商品数ではなく、
資産全体として何に投資しているのか
を見ることが重要です。
海外ETFでは税金の仕組みにも注意
海外ETFをNISAで購入する場合には、
税金についても少し注意が必要です。
例えば米国ETFの場合、
NISAで日本国内の税金が非課税になっても、
米国側で課税される税金まで必ずゼロになるわけではありません。
また、NISA口座では外国税額控除を利用できない点にも注意が必要です。
そのため、
「NISAならETFの分配金がすべて完全に非課税」
とは限りません。
国内ETFなのか、
海外ETFなのかによっても、
税金の扱いが異なることは知っておきたいところです。
手数料だけで選ばない
ETFを比較すると、
信託報酬などのコストが気になります。
もちろん、
長期投資ではコストは重要です。
ただ、
「一番安いETFだから選ぶ」
だけでは十分ではありません。
何に投資しているのか。
どれくらい分散されているのか。
分配方針はどうなっているのか。
売買しやすい商品なのか。
そして、
自分の資産形成の目的に合っているのか。
こうした要素を含めて考えることが大切です。
私自身が大切だと思うこと
ETFについて調べていると、
魅力的な商品がたくさん見つかります。
米国株。
世界株。
高配当株。
REIT。
テーマ型ETF。
調べれば調べるほど、
いろいろなETFを持ちたくなるかもしれません。
でも、
資産形成では、
商品を増やすこと自体が目的ではありません。
だからこそ、
ETFを追加するときには、
「このETFは、自分の資産の中でどんな役割を持つのだろう?」
と一度考えてみる。
その習慣が、
商品を増やしすぎないためにも大切なのではないでしょうか。
まとめ:ETFは「投資信託の代わり」ではなく、資産形成の選択肢の一つ
ETFと投資信託には、
それぞれ違った特徴があります。
投資信託は、
積立を仕組み化しやすく、
長期で資産を積み上げる方法と相性があります。
ETFは、
株式のように売買でき、
さまざまな指数や高配当株などへまとめて投資できる魅力があります。
だからこそ、
「ETFと投資信託、どちらが優れているか」
ではなく、
「自分はそれぞれを何のために使うのか」
という視点で考えてみることが大切です。
つみたて投資枠で資産形成の土台を作る。
成長投資枠でETFを活用する。
そんな組み合わせも、一つの方法です。
新NISAには、さまざまな選択肢があります。
選択肢が多いからこそ、全部を使う必要はありません。
自分の目的に必要なものを選び、分かりやすい形で長く続けていく。
そんなシンプルな使い方も、新NISAと長く付き合っていくための一つの答えなのだと思います。
