2027年の新NISAでは、何を買おうか。
年末が近づくと、そんなことを考え始める方もいるのではないでしょうか。
全世界株式や米国株式のインデックス投資信託。
日本の高配当株や増配株。
国内外のETF。
新NISAではさまざまな商品を選べるため、かえって迷ってしまうこともあります。
特に、長期で資産を増やしたいという気持ちと、配当金も受け取りたいという気持ちが両方ある場合、何を優先するかは悩ましいところです。
私は、投資先を選ぶときには、**「どの商品が一番よいか」ではなく、「その商品にどんな役割を持たせたいか」**から考えることが大切だと思っています。
今回は、2027年の新NISAで投資先を選ぶ際に、投資信託・高配当株・ETFをどう組み合わせるか、一緒に考えてみたいと思います。
1.まずは「何を買うか」より「何を目指すか」
新NISAの投資先を考えるとき、最初に整理したいのは投資の目的です。
例えば、次のような目的があります。
- 20年、30年かけて資産を増やしたい
- 将来の生活費に備えたい
- 配当金を少しずつ増やしたい
- 投資先を分散してリスクを抑えたい
- 将来的に資産を取り崩して使いたい
これらは、どれも自然な目的です。
ただし、目的によって適した投資方法は変わります。
例えば、長期的な資産成長を重視するなら、幅広い企業へ分散投資できるインデックス投資信託が有力な選択肢になります。
一方、配当収入を育てたいなら、配当を継続して支払う企業の株式や、分配金を受け取れるETFなどが候補になります。
また、資産を増やすことと配当を受け取ることは、必ずしも対立するものではありません。
両方を組み合わせることもできます。
大切なのは、自分の目的を整理したうえで、それぞれの商品に役割を持たせることです。
2.投資信託・高配当株・ETFの特徴を比較する
まず、3つの投資先の特徴を整理してみましょう。
| 比較項目 | インデックス投資信託 | 高配当株・増配株 | ETF |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 長期の資産成長 | 配当収入の確保・成長 | 商品により異なる |
| 分散投資 | しやすい | 自分で組み合わせる | しやすい商品が多い |
| 配当・分配金 | 再投資型なら受け取りを抑えられる | 配当金を受け取る | 分配型なら受け取れる |
| 運用管理 | 比較的シンプル | 企業分析が必要 | 商品の中身を確認 |
| 投資の手間 | 比較的少ない | 比較的多い | 商品による |
※ETFも投資信託の一種ですが、ここでは一般的な非上場のインデックス投資信託と、取引所に上場するETFを分けて比較しています。
こうして見ると、どの商品にも特徴があります。
インデックス投資信託は、少ない手間で分散投資を続けやすいことが魅力です。
高配当株や増配株は、企業を選びながら配当収入を育てられることが魅力です。
ETFは、さまざまな投資対象へ分散投資できる一方、商品によって運用方針や分配金の仕組みが異なります。
つまり、どれか一つが必ず優れているというわけではありません。
3.資産成長を重視するならインデックス投資信託
長期的に資産を増やしたい場合、インデックス投資信託は有力な選択肢です。
例えば、全世界株式や米国株式などの指数に連動する投資信託があります。
こうした商品を活用すれば、個別企業を一社ずつ選ばなくても、幅広い企業へ投資できます。
また、分配金を出さずに運用を続けるタイプの商品なら、運用成果をファンド内で再投資しながら資産成長を目指せます。
そのため、配当金を生活費として使う予定がなく、長期的な資産形成を優先したい場合には、検討しやすい方法です。
ただし、インデックス投資信託だから必ず資産が増えるわけではありません。
株式市場全体が下落すれば、基準価額も下がります。
また、全世界株式と米国株式では投資対象が異なります。
「インデックス投資なら何でも同じ」ではなく、どの市場へ投資しているのかを確認することが大切です。
4.配当収入を育てたいなら高配当株・増配株
一方、配当収入を重視する場合には、高配当株や増配株への投資が候補になります。
例えば、毎年一定の配当金を受け取りたい。
将来的に、配当金を生活費の一部として使いたい。
そんな目的がある場合です。
ただし、高配当株を選ぶ際には、現在の配当利回りだけで判断しないことが重要です。
例えば、配当利回りが5%の企業があったとしても、その配当が今後も続くとは限りません。
業績が悪化すれば、減配する可能性もあります。
反対に、現在の利回りは3%でも、利益成長とともに増配を続ける企業もあります。
長期で配当収入を育てたいのであれば、現在の配当利回りと、将来の配当を維持・成長させる力の両方を見ていきたいところです。
企業の競争力、利益、財務、キャッシュフロー、株主還元方針などを確認しながら、長期保有できる企業を選ぶことが大切だと思います。
5.ETFは「何に投資する商品か」で判断する
ETFについては、少し考え方が異なります。
なぜなら、ETFにはさまざまな種類があるからです。
例えば、幅広い株価指数に連動するETF。
高配当株を集めたETF。
特定の業種に投資するETF。
債券や不動産などを対象とするETF。
同じETFでも、投資対象によって役割は大きく変わります。
そのため、ETFを選ぶときには、まず投資対象と運用方針を確認します。
次に、信託報酬などのコスト。
分配金の仕組み。
保有銘柄の構成。
為替リスクの有無。
こうした点を確認します。
例えば、高配当ETFなら、個別株を多数保有しなくても、複数の高配当企業へ分散投資できます。
一方、特定の業種に集中しているETFなら、思ったほど分散できていない可能性もあります。
ETFという商品形態だけで判断せず、中身を確認すること。
これは2027年の投資先を選ぶ際にも大切なポイントです。
6.新NISAでは、どの投資枠を使う?
投資先を考える際には、NISAの投資枠も整理しておきましょう。
成人向けの新NISAでは、年間の投資枠は次のようになっています。
| 投資枠 | 年間上限 | 主な対象商品 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 対象となる投資信託・ETF |
| 成長投資枠 | 240万円 | 対象となる上場株式・ETF・投資信託など |
| 合計 | 360万円 |
例えば、つみたて投資枠でインデックス投資信託を積み立てる。
成長投資枠で高配当株やETFを購入する。
こうした使い方が考えられます。
ただし、必ずしもこの組み合わせにする必要はありません。
成長投資枠でも対象となるインデックス投資信託を購入できます。
投資信託を中心に資産形成したい場合には、両方の枠を活用する方法もあります。
大切なのは、投資枠に合わせて商品を選ぶのではなく、投資目的に合った商品を選び、そのうえで利用できる枠を考えることです。
7.2027年の投資予算を3つのパターンで考える
ここからは、具体的な資産配分を考えてみましょう。
例えば、2027年の新NISA投資予算が180万円だったとします。
この180万円をどのように配分するか。
投資目的によって、いくつかの考え方があります。
パターンA:資産成長を重視する
| 投資対象 | 年間投資額 | 比率 |
|---|---|---|
| インデックス投資信託 | 150万円 | 約83% |
| 高配当株・ETF | 30万円 | 約17% |
| 合計 | 180万円 | 100% |
長期的な資産成長を中心に考えながら、配当投資も少しずつ取り入れる方法です。
投資信託を中心にすることで、運用管理の手間を抑えやすくなります。
パターンB:資産成長と配当収入を両立する
| 投資対象 | 年間投資額 | 比率 |
|---|---|---|
| インデックス投資信託 | 90万円 | 50% |
| 高配当株・増配株 | 60万円 | 約33% |
| 高配当ETF | 30万円 | 約17% |
| 合計 | 180万円 | 100% |
資産成長と配当収入の両方を意識する方法です。
インデックス投資信託で長期の資産形成を進めながら、個別株やETFで配当収入を育てます。
ただし、高配当株と高配当ETFで保有企業が重複することもあるため、実際の投資先は確認する必要があります。
パターンC:配当収入を重視する
| 投資対象 | 年間投資額 | 比率 |
|---|---|---|
| インデックス投資信託 | 30万円 | 約17% |
| 高配当株・増配株 | 100万円 | 約56% |
| 高配当ETF | 50万円 | 約28% |
| 合計 | 180万円 | 約100% |
配当収入を育てることを優先する方法です。
ただし、配当利回りだけを追いかけると、投資先が偏ったり、減配リスクが高まったりする可能性があります。
個別株とETFを組み合わせながら、分散にも配慮したいところです。
※3つの配分は説明用の例であり、推奨比率ではありません。また、実際の資産配分は新規投資額だけでなく、既存の保有資産も含めて判断する必要があります。
私も毎年考えはしますが、何だかんだで高配当株・増配株中心になると思っています笑
8.新規投資額だけで資産配分を決めない
ここで、特に注意したいことがあります。
それは、2027年に投資する180万円だけで資産配分を考えないことです。
例えば、すでに日本の高配当株を1,000万円保有している人がいたとします。
その人が2027年の180万円をすべて高配当株に投資すると、日本株への集中がさらに高まる可能性があります。
一方、これまでインデックス投資信託を中心に資産形成してきた人であれば、配当株を新しく組み入れることで、投資目的に合った資産構成へ近づくこともあります。
つまり、同じ180万円でも、現在の保有資産によって適切な使い方は変わります。
2027年の投資計画を立てる際には、まず保有資産全体を確認する。
そのうえで、足りない部分を新しい投資で補う。
そんな考え方が大切だと思います。
9.「分散しているつもり」に注意する
投資信託、高配当株、ETFを組み合わせれば、必ず分散投資になるのでしょうか。
実は、そうとも限りません。
例えば、米国株式のインデックス投資信託と、米国株式のETFを保有している場合。
商品は2つでも、投資対象は大きく重複しているかもしれません。
また、日本の高配当株と国内高配当ETFを組み合わせた場合も、同じ企業を重複して保有している可能性があります。
そのため、分散投資を考えるときには、商品数ではなく、実際にどの企業・地域・業種へ投資しているかを見ることが重要です。
投資信託を3本持っているから安心。
ETFを5本持っているから分散できている。
そう考えるのではなく、中身を確認してみたいところです。
10.NISAでは「長く保有できるか」も重要
新NISAでは、非課税保有期間が無期限です。
そのため、長期で保有する投資先との相性がよい制度です。
ただし、長期保有すること自体が目的ではありません。
企業の業績が大きく変わった。
投資信託の運用方針が変わった。
自分の資産形成の目的が変わった。
そのような場合には、保有資産を見直すことも必要です。
一方、短期的な株価の上下だけで頻繁に売買を繰り返すと、長期投資の方針がぶれやすくなります。
私は、NISAでは、**「値上がりしそうな商品」より「長期で保有したいと思える商品」**を重視したいと考えています。
もちろん、長期保有すれば必ず利益が出るわけではありません。
それでも、投資対象の特徴を理解し、納得して保有できることは、長期の資産形成を続けるうえで大切だと思います。
11.2027年の投資先を決めるチェックリスト
最後に、2027年の投資先を考える際に確認したいことを整理します。
- 自分の投資目的は明確になっているか
- 資産成長と配当収入のどちらを重視するか
- 現在の保有資産を含めた配分を確認したか
- 投資信託・ETFの中身を理解しているか
- 個別株の業績や財務を確認しているか
- 投資先の地域・業種が偏っていないか
- 長期保有できる理由を説明できるか
- 生活資金を確保したうえで投資できるか
すべてを完璧にする必要はありません。
ただ、こうした点を確認しておくことで、話題になっている商品や短期的な株価の動きに流されにくくなります。
まとめ:2027年の新NISAは、商品よりも「役割」から考える
2027年の新NISAで何を買うか。
投資信託。
高配当株・増配株。
ETF。
どれにも、それぞれの特徴と魅力があります。
インデックス投資信託は、長期の資産成長を目指しやすい商品です。
高配当株や増配株は、配当収入を育てるための選択肢になります。
ETFは、投資対象に応じて資産成長や配当収入、分散投資など、さまざまな役割を持たせることができます。
大切なのは、どの商品が一番優れているかを決めることではありません。
自分が目指す資産形成に対して、それぞれの商品がどんな役割を果たすのか。
そこから考えることです。
また、新しく投資する金額だけでなく、すでに保有している資産も含めて考えることが重要です。
2027年の新NISAも、周囲の投資行動や人気商品に流されるのではなく、自分の目的と資産構成に合った方法で活用していきたいところです。
資産を増やすこと。
配当収入を育てること。
そして、将来の選択肢を広げること。
そのために、2027年の投資計画を一つずつ考えていきましょう。
