はじめに
ここまでの回では、副業、会社員という立場、AI、ベーシックインカム、心理面、プロジェクト型労働と、
いろいろな角度から「働き方」とFIREの関係を見てきました。
調べたり考えたりする中で、最近強く感じているのは、
会社・雇用・FIREという区分自体が、だんだん意味を失い始めているということです。
「会社員か、フリーランスか」
「働くか、働かないか」
「FIREしているか、していないか」
こうした二択で考えるのが、少しずつ難しくなってきている気がします。
今回は、
境界が溶けていく働き方の未来という視点から、
会社・雇用・FIREがどう変わっていくのかを整理してみます。
かつては、はっきり分かれていた
少し前まで、働き方は比較的シンプルでした。
- 会社に雇われる=会社員
- 会社を辞める=フリー
- FIRE=働かない
この構図は分かりやすく、
「どれを選ぶか」という話で済んでいました。
でも今は、
どれにも完全には当てはまらない人が増えています。
- 会社員だけど副業している
- フリーだけど長期契約がある
- FIREを目指しつつ、少し働いている
境界線が、かなり曖昧になってきました。
会社に属しながら「個人」として働く人が増えている
最近よく見かけるのが、
会社に所属しているけれど、
働き方や収入の一部は“個人単位”で持っている人
という存在です。
- 本業は会社員
- 副業でスキル提供
- 投資収入もある
こうなると、「雇用されている/されていない」という区分だけでは説明できません。
会社は
収入源の一つであり、
キャリアの一部であり、
必ずしも人生の中心ではない存在になりつつあります。
雇用は「安全装置」、FIREは「選択肢拡張装置」
この視点で整理すると、役割が見えてきます。
雇用の役割
- 安定収入
- 社会保障
- 人とのつながり
いわば、生活の安全装置です。
FIRE(資産)の役割
- 働き方を選べる
- 辞める・減らす判断ができる
- 嫌な環境から距離を取れる
こちらは、選択肢を増やす装置。
どちらか一方ではなく、
両方を併用する状態が、これからは普通になっていくのかもしれません。
「FIRE=完全に辞める」は主流ではなくなる?
これまでFIREは、
「働かなくても生きていける状態」
として語られることが多くありました。
ただ、AIやプロジェクト型労働の広がりを見ていると、
働く・働かないの境目がなくなり、
働き方の“濃度”を調整する時代
に向かっているように感じます。
- 忙しい時期は働く
- 余裕があれば休む
- 興味がある仕事だけ引き受ける
この状態は、
「完全FIRE」でも「フルタイム労働」でもありません。
でも、FIRE的な自由は確かに存在する。
会社も「居場所の一つ」になる
企業側の変化も見逃せません。
- 副業容認
- 業務委託との混在
- プロジェクト単位の採用
会社自身が、
人を一生囲い込む前提を手放し始めている
ようにも見えます。
そうなると、会社は
人生を預ける場所
から
必要な時に関わる場所
へと役割が変わっていきます。
FIREを目指す人にとっては、
「辞めるか残るか」ではなく、
どう関わるかを考える時代です。
境界がなくなると、不安も自由も増える
もちろん、境界が溶けることは不安も伴います。
- 収入が不安定になるかもしれない
- 肩書きが曖昧になる
- 正解が分からない
でも同時に、
- 働き方を組み合わせられる
- 依存先を分散できる
- 自分に合う形を試せる
という自由も生まれます。
FIREは、
この「不安と自由が同時に増える時代」を
自分の手で舵取りするための考え方
なのかもしれません。
FIREは“状態”ではなく“柔軟性”へ
ここまで考えてきて、
私自身のFIRE観も少し変わってきました。
FIREは、
「この状態になったら完成」
というゴールではなく、
変化に応じて、働き方と生活を調整できる柔軟性
そのものなのではないか、と感じています。
- 会社に残る
- プロジェクトで関わる
- しばらく休む
これらを自分で選べる状態。
そのための土台として、資産がある。
まとめ
会社・雇用・FIREは、
これからますます溶け合っていきます。
- 会社員だけどFIRE的
- FIREだけど働いている
- 雇われているけど縛られていない
こうした状態が、特別ではなくなる未来です。
大事なのは、
「どの立場か」よりも、
どれだけ選択肢を持っているか。
FIREはその選択肢を増やすための道具であり、
働き方の未来に適応するための考え方でもあります。
私自身も、まだ途中ですが、
境界がなくなる時代だからこそ、
少しずつ、自分に合う形を探していきたいと思っています。
