【高配当株・個別株実践編 第2回】減配しにくい会社はどう見つける?高配当株で確認したい7つのポイント

FIRE・資産形成

高配当株へ投資するとき、

できれば避けたいことがあります。

それが、

減配です。

年間100円の配当を期待して購入したのに、

翌年は80円。

さらに翌年には50円。

こうなれば、

期待していた配当収入は大きく減ってしまいます。

さらに、

減配が発表されると株価まで下落し、

「配当も減った。株価も下がった」

ということもあります。

では、

減配する会社を事前に見抜くことはできるのでしょうか。

残念ながら、

将来の減配を完全に予測することはできません。

ただ、

「減配する可能性が高まっていないか」

を考えるための材料はあります。

今回は、

長期で高配当株を保有するときに確認したい、

7つのポイントを一緒に見ていきたいと思います。


ポイント① 利益が安定しているか

最初に確認したいのは、

企業の利益です。

配当金は、

企業が事業によって生み出した利益から支払われます。

そのため、

利益が安定している企業ほど、

配当も安定させやすくなります。

例えば、

毎年100億円前後の利益を安定して生み出している企業と、

ある年は200億円。

翌年は50億円。

さらに翌年は赤字。

という企業では、

配当の安定性も違ってきます。

特に確認したいのは、

1年だけではなく、複数年の利益推移です。

できれば、

景気が良かった年だけではなく、

景気が悪化した時期にどうだったのかも見てみたいところです。


「最高益」より「悪いとき」を見てみる

高配当株を長期保有するなら、

私は企業の良い時期だけでなく、

悪い時期の業績

を見ることが大切だと思います。

例えば、

景気後退。

原材料価格の上昇。

為替の急変。

感染症の拡大。

金融市場の混乱。

企業にとって厳しい環境になったとき、

利益はどのくらい減ったのか。

赤字になったのか。

そして、

そのとき配当はどうなったのか。

過去の厳しい局面を見ることで、

企業の利益や配当がどの程度安定しているのかが見えやすくなります。


ポイント② 配当性向に無理がないか

次に確認したいのが、

第1回でも取り上げた

配当性向です。

配当性向は、

企業が稼いだ利益のうち、

どの程度を配当として株主へ還元しているかを見る指標です。

例えば、

1株当たり利益(EPS)が200円。

1株当たり配当が80円。

であれば、

配当性向は40%です。

反対に、

EPSが100円なのに、

配当が90円であれば、

配当性向は90%になります。

もちろん、

配当性向が高いから、

すぐに減配するというわけではありません。

業種や企業の成長段階によって、

適切な水準は異なります。

ただ、

利益のほとんどを配当に回している状態では、

業績が悪化したときに、

配当を維持する余裕が小さくなる可能性があります。


配当性向が急上昇していないかを見る

現在の数字だけでなく、

推移を見ること

も重要です。

例えば、

数年前まで配当性向40%前後だった企業が、

50%。

60%。

80%。

と上昇している。

配当金が増えているのであれば、

一見すると良いことに見えます。

でも、

EPSが伸びず、

配当だけを増やした結果かもしれません。

反対に、

増配しているにもかかわらず、

利益も伸びているため、

配当性向がほとんど変わっていない。

この場合は、

利益成長を伴った増配と考えやすくなります。

配当金だけでなく、EPSと配当性向をセットで見る。

これは習慣にしておきたいところです。


ポイント③ キャッシュフローは安定しているか

利益と一緒に確認したいのが、

キャッシュフローです。

企業の決算では利益が出ていても、

実際に十分な現金が入ってきているとは限りません。

そして、

配当金は現金で支払われます。

そのため、

事業によって継続的に現金を生み出せているかを見ることも重要です。

特に確認したいのが、

営業キャッシュフローです。

本業によって、

しっかり現金を生み出しているか。

数年間の推移を見ながら確認します。


フリーキャッシュフローにも注目する

さらに一歩進めるなら、

フリーキャッシュフロー

も見てみたいところです。

簡単に考えると、

事業で生み出した現金から、

設備投資などに必要なお金を差し引いた後に残る現金です。

企業は、

このお金を使って、

借金を返す。

M&Aをする。

自社株買いをする。

そして、

配当を支払うことができます。

フリーキャッシュフローが継続的に確保されていれば、

株主還元にも余裕を持ちやすくなります。

反対に、

配当金を支払うための現金が不足し、

借入などに頼る状態が続いているのであれば、

長期的な持続性について確認する必要があります。


ポイント④ 財務に余裕があるか

次に見たいのが、

企業の財務状況です。

同じ利益を出している企業でも、

借金が少ない企業と、

多額の借金を抱えている企業では、

余裕が違います。

例えば、

景気悪化によって利益が減少したとします。

財務に余裕がある企業なら、

一時的な業績悪化でも、

配当を維持できる場合があります。

一方、

借入金が多く、

利払い負担も大きい企業では、

まず財務改善を優先し、

配当を減らす可能性もあります。

だからこそ、

高配当株では、

配当利回りだけでなく、企業の体力

も確認したいところです。


業種によって見る数字は変わる

ただし、

財務指標は単純比較できない場合があります。

例えば、

銀行などの金融業と、

製造業では、

貸借対照表の意味がかなり違います。

また、

電力や通信、インフラなど、

大きな設備投資が必要な業種もあります。

そのため、

「自己資本比率○%以上なら安全」

という一つの数字だけで判断するのではなく、

同じ業種の企業と比較する

という視点も持っておきたいところです。


ポイント⑤ 過去にどのような配当をしてきたか

次に確認したいのが、

配当実績です。

企業のIR情報を見ると、

過去数年間の配当金を確認できます。

そこで、

増配を続けているのか。

配当を維持しているのか。

頻繁に減配しているのか。

無配になったことがあるのか。

を見てみます。

特に参考になるのが、

業績が悪化したときです。

利益が少し落ちただけですぐ減配したのか。

ある程度配当を維持したのか。

こうした実績を見ると、

その企業が配当をどの程度重視しているのかが見えてきます。


過去に減配している会社は避けるべき?

ここは、

少し慎重に考えたいところです。

過去に一度でも減配した企業は、

投資対象から外す。

という方法もあります。

でも、

必ずしもそれだけで判断する必要はないと思います。

重要なのは、

なぜ減配したのか

です。

一時的な大きな危機だったのか。

構造的に利益が減少していたのか。

財務を立て直すためだったのか。

そして、

その後どうなったのか。

減配という事実だけでなく、

背景まで確認することで、

企業への理解も深まります。


ポイント⑥ 景気の影響をどのくらい受けるか

企業によって、

景気変動の影響は大きく異なります。

景気が良いときには、

利益が大きく伸びる。

でも、

景気が悪くなると、

利益が急激に減る。

こうした企業もあります。

一般的に、

景気変動の影響を受けやすい企業では、

利益とともに配当も変動する可能性があります。

反対に、

景気にかかわらず一定の需要がある事業では、

利益が比較的安定する場合があります。

高配当株を選ぶときには、

現在の利益だけでなく、

「この会社の利益は、何によって動くのか」

を考えてみることが大切です。


高配当株を一つの業種に集めすぎない

これは、

個別企業ではなく、

ポートフォリオ全体の話です。

高配当株を探していくと、

特定の業種が多くなることがあります。

そのとき、

同じ景気要因で業績が動く企業ばかりを保有していると、

複数社が同時に減配する可能性もあります。

一社ずつ見れば良い企業でも、

組み合わせることでリスクが高くなることがあります。

そのため、

減配リスクは企業単体だけでなく、ポートフォリオ全体でも考える

ことが大切です。


ポイント⑦ 株主還元方針を確認する

最後に確認したいのが、

企業自身が配当について何と言っているのか

です。

決算説明資料。

中期経営計画。

株主還元方針。

こうした資料には、

企業の配当に対する考え方が書かれています。

例えば、

配当性向○%を目安とする。

安定的な配当を継続する。

累進配当を採用する。

DOEを基準にする。

継続的な増配を目指す。

こうした方針です。

長期で配当を受け取りたいのであれば、

企業がどの程度、

株主還元を経営上の重要事項として位置づけているかは確認しておきたいところです。


「累進配当だから安心」で終わらせない

累進配当は、

長期の配当投資では魅力的な方針です。

基本的に、

配当を維持または増やしていくことを目指すためです。

ただし、

企業が「累進配当」と掲げているだけで、

将来の配当が保証されるわけではありません。

重要なのは、

その方針を支えられる利益とキャッシュフローがあるか

です。

利益が長期間減少している。

財務が悪化している。

それでも配当だけを維持している。

こうした状態なら、

どこかで無理が生じる可能性があります。

配当方針は大切ですが、

企業の事業そのものとセットで見たいところです。


7つのポイントを一度整理してみよう

減配リスクを見るときには、

次の7つを確認してみます。

① 利益の安定性

複数年にわたって利益を生み出せているか。

② 配当性向

利益に対して無理な配当になっていないか。

③ キャッシュフロー

本業で現金を生み出し、配当を支える余力があるか。

④ 財務

業績悪化に耐えられる体力があるか。

⑤ 配当実績

過去の厳しい時期にも、どのような配当をしてきたか。

⑥ 景気敏感度

企業の利益が何によって大きく変動するのか。

⑦ 株主還元方針

企業自身が今後の配当についてどう考えているか。

すべてが完璧な企業を探す必要はありません。

むしろ、

どこに強みがあり、

どこにリスクがあるのかを理解することが大切です。


「減配しない会社」ではなく「減配に強そうな会社」を探す

投資をしている以上、

将来を完全に予測することはできません。

今まで一度も減配していない企業でも、

将来減配する可能性はあります。

反対に、

過去に減配した企業が、

事業構造を変え、

その後安定した増配企業になることもあります。

だからこそ、

「絶対に減配しない企業」

を探すのではなく、

「多少環境が悪化しても、配当を維持できそうな企業」

を探す。

その方が、

現実的な高配当株の選び方ではないでしょうか。


私自身が大切だと思うこと

高配当株投資では、

どうしても、

「今年いくら配当をもらえるか」

に目が向きます。

もちろん、

それも楽しみの一つです。

でも、

長期投資なら、

もう少し先を見たいと思っています。

今年100円。

来年も100円。

数年後には110円。

さらにその先には120円。

そんなふうに、

安定した配当が少しずつ育っていく。

そのためには、

現在の配当利回りより、

その配当を生み続ける企業の力

を見ることが大切です。

利益。

キャッシュフロー。

財務。

事業の競争力。

そして株主還元への姿勢。

配当金だけを見るのではなく、

その後ろにある会社を見る。

そうすると、

高配当株の見え方も少し変わってくるのではないでしょうか。

あと、意外と見落としがちなのは、

これらをすべて調べるのは本当に大変ということです。。。汗

正直私もここまで毎回やっているかと言うとしていません笑

全部OKという会社だけに投資すると選択肢が狭いというのもありますが、

重視したい項目を自分の中で持っておく、

という発想で考えるくらいが気楽でいいなと思っています。


まとめ:高配当株では「配当の高さ」より「配当の持続性」を見よう

高配当株を選ぶとき、

配当利回りは分かりやすい数字です。

でも、

長期で配当を受け取りたいのであれば、

本当に重要なのは、

その配当が続くかどうか

です。

利益は安定しているか。

配当性向に余裕はあるか。

現金を生み出せているか。

財務は健全か。

過去の厳しい時期にどう対応したか。

景気変動の影響はどの程度か。

そして、

企業自身が株主還元をどう考えているか。

こうした部分を一つずつ確認していく。

もちろん、

それでも減配を完全に避けることはできません。

だからこそ、

一社に集中せず、

複数の企業や業種へ分散することも大切です。

高い配当利回りを追いかけるのではなく、

長く配当を受け取れそうな会社を少しずつ集めていく。

その積み重ねが、

長期の高配当株投資を安定させる一つの考え方になるのではないでしょうか。

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