FIREや資産形成を学んでいると、必ずといっていいほど耳にするのがロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さん貧乏父さん』。その中で紹介されるのが 「キャッシュフロー・クワドラント(ESBI)」 です。
これは、収入の得方を4つに分類した考え方で、
E(従業員)、S(自営業者)、B(ビジネスオーナー)、I(投資家)の頭文字を取ったものです。
1. E(Employee/従業員)
雇用されて給料を得る立場。
安定した収入がある一方で、収入の上限は自分の時間と労働力に縛られます。
FIREを目指す多くの人は、このEの状態から資産形成をスタートします。
例えば会社員として得た安定収入をNISAやiDeCoに投資し、配当や値上がり益で資産を増やす流れです。
2. S(Self-Employed/自営業者)
自分のスキルや時間を直接お金に換える働き方。
医師やフリーランス、コンサルタントなどが該当します。
Eよりも自由度は高いものの、働かなければ収入は止まります。
FIRE志向者の中には、本業+副業フリーランスで収入源を増やし、投資資金を加速させる人もいます。
3. B(Business Owner/ビジネスオーナー)
仕組みを作り、人やシステムに働いてもらう立場。
社長や事業オーナーなどが該当し、自分が動かなくても収入が入る可能性があります。
FIREを目指す過程でBの立場を築ければ、事業所得を完全不労化し、生活費を賄うことも可能になります。
4. I(Investor/投資家)
資本を使って資本を増やす立場。
株式や不動産、大規模投資によって収入を得ます。
ここでいう投資家は、数百万円〜数千万円の個人投資ではなく、億単位の資金を動かすレベル を想定しています。
FIRE後にここまで到達すれば、配当や利息、賃料収入などが生活を支えるだけでなく、さらに資産を成長させる好循環が可能になります。
個人投資家と「I」の違い
多くのFIRE志向者が行う株式投資やインデックス投資は、資産運用という意味ではIに近いですが、キヨサキ氏のいう「I」はもう少しスケールが大きい存在です。
ベンチャー企業への大型投資や、不動産の大規模開発への資本参加など、規模や影響力が違います。
FIRE達成までのESBI活用例
- E→I型:会社員収入を投資に回し、資産からの収入を増やす(もっとも一般的なルート)
- E→S→I型:副業・フリーランスで投資資金を加速、早期FIREを目指す
- E→B→I型:事業を持ち、その利益を投資に回して加速度的に資産形成
- B→I型:すでに事業を持つ人が、事業売却益を投資資本に転換してFIRE
まとめ:FIREにも応用できる「ESBIの視点」
ESBIは単なる分類ではなく、自分の収入構造を客観的に見直すきっかけになります。
もちろん、いきなりBやIを目指す必要はありません。
まずはEやSとしての収入をしっかり確保しつつ、少しずつIに近づける戦略を描くことが、FIREの現実性を高めます。
私自身もEの立場から資産形成を進めていますが、このクワドラントを意識することで「次の一歩」が明確になりました。

