配当金月1万円。
年間にすると12万円です。
ここまで配当収入が育ってくると、
次の目標として、
「月3万円くらいあったらどうだろう?」
と考えることもあると思います。
月3万円。
年間では36万円です。
月1万円から考えると、
3倍です。
そのため、
少し遠い目標に感じるかもしれません。
でも、
月3万円の配当収入には、
月1万円とはまた違った意味があります。
例えば、
毎月の光熱費。
通信費。
趣味に使うお金。
家族との外食。
こうした支出のいくつかを、
配当収入でまかなえる可能性が出てきます。
年間36万円なら、
旅行や大きな買い物などに使うこともできます。
もちろん、
そのまま再投資することもできます。
今回は、
配当金月3万円に必要な投資額だけではなく、
「月1万円から月3万円へ、配当収入をどう育てていくか」
を中心に考えてみたいと思います。
配当金月3万円は、年間36万円
まずは、
目標を数字にしてみます。
3万円 × 12か月
= 年間36万円
です。
ここでも、
「毎月3万円が振り込まれる」
という意味ではありません。
日本株では、
年1回や年2回の配当が一般的です。
そのため、
年間36万円の配当金を、
12か月で平均すると月3万円。
というイメージで考えていきます。
月3万円の配当金には、いくら必要?
年間36万円の配当金を受け取るために必要な資産額は、
配当利回りによって変わります。
単純計算してみましょう。
| 配当利回り | 年間36万円に必要な投資額 |
|---|---|
| 2% | 約1,800万円 |
| 3% | 約1,200万円 |
| 4% | 約900万円 |
| 5% | 約720万円 |
例えば、
配当利回り4%なら、
約900万円
です。
第1回で考えた月1万円の場合は、
同じ4%なら約300万円でした。
月3万円なら、
その3倍となる約900万円です。
こうして数字を見ると、
「やっぱりかなり大きな資産が必要だな」
と感じるかもしれません。
確かに、
900万円は小さな金額ではありません。
でも、
ここで考えたいのは、
「900万円を用意してから始める」わけではない
ということです。
月1万円から月3万円への道のりを考える
例えば、
すでに配当金月1万円、
年間12万円まで到達しているとします。
配当利回り4%と仮定すると、
約300万円の投資資産です。
月3万円には、
約900万円。
差額は、
600万円です。
「あと600万円必要」
と考えると、
かなり大きく感じます。
でも、
その600万円を、
すべて自分の給与などから用意しなければならないわけではありません。
ここからは、
①追加投資
②配当再投資
③増配
という3つの力を使うことができます。
① 追加投資で配当の土台を大きくする
最も分かりやすいのが、
新しい資金を追加することです。
例えば、
毎月5万円を投資するとします。
年間では、
60万円です。
5年間なら、
元本だけで300万円。
10年間なら、
600万円です。
もちろん、
実際には株価が動きますし、
毎年同じ利回りで投資できるわけでもありません。
それでも、
定期的に資金を追加することが、
配当収入を育てる大きな力になります。
毎月の投資額で、道のりは変わる
例えば、
月1万円の配当収入を生む約300万円の資産から、
月3万円を目指すとします。
単純化して、
配当利回り4%、
株価変動や増配を考えず、
追加資金だけで900万円を目指すとすると、
残りは600万円です。
毎月3万円なら、
年間36万円。
600万円 ÷ 36万円
= 約16.7年。
毎月5万円なら、
年間60万円。
600万円 ÷ 60万円
= 10年。
毎月10万円なら、
年間120万円。
600万円 ÷ 120万円
= 5年。
かなり違います。
ただし、
これはあくまで、
再投資も増配も考えない単純計算
です。
実際には、
すでに受け取っている配当金を再投資することで、
もう一つの力が加わります。
② 配当金そのものにも働いてもらう
年間12万円の配当を受け取っているとします。
その12万円を、
すべて再投資する。
仮に、
配当利回り4%程度の資産へ投資できれば、
単純計算では、
翌年以降の年間配当が、
約4,800円増えることになります。
翌年は、
増えた配当も含めて再投資する。
さらに翌年も、
同じように再投資する。
すると、
自分が追加したお金だけではなく、
これまで育てた資産が生み出したお金も、新しい配当を作り始めます。
これが、
配当再投資の大きな意味です。
「毎月5万円+配当再投資」ならどうなる?
少し具体的に考えてみましょう。
スタート時点の投資資産を、
300万円。
年間配当利回りを4%。
毎月5万円、
年間60万円を追加投資。
受け取った配当金は、
すべて再投資する。
そして、
株価変動や税金、手数料などは考えず、
4%で運用できたと仮定します。
単純なシミュレーションでは、
おおよそ次のようになります。
| 経過年数 | 資産額の目安 | 年間配当4%の目安 |
|---|---|---|
| スタート | 300万円 | 12万円 |
| 1年後 | 約372万円 | 約14.9万円 |
| 3年後 | 約525万円 | 約21万円 |
| 5年後 | 約691万円 | 約27.6万円 |
| 7年後 | 約870万円 | 約34.8万円 |
| 8年後 | 約965万円 | 約38.6万円 |
この仮定なら、
7~8年程度で年間配当36万円付近
が見えてきます。
追加投資だけなら10年だったものが、
配当を再投資することで、
少し期間が短くなります。
もちろん、
実際の投資はこの通りには進みません。
株価も変わります。
配当も変わります。
それでも、
「配当を使わず再投資すると、資産形成を少しずつ後押ししてくれる」
というイメージは持ちやすいと思います。
③ 「増配」が加わるとどうなる?
さらに、
高配当株投資には、
もう一つの力があります。
増配
です。
例えば、
年間12万円の配当を受け取っているポートフォリオが、
平均して毎年3%ずつ増配したとします。
単純化すると、
12万円だった配当が、
翌年には約12万3,600円。
その翌年には、
約12万7,300円。
というように増えていきます。
新しい株を買わなくても、
企業が配当を増やしてくれれば、
自分の配当収入も増えていきます。
「利回り4%」より「増配する3%」がよいこともある
配当収入を増やそうとすると、
どうしても現在の配当利回りへ目が向きます。
A社は5%。
B社は3%。
それなら、
A社の方がいい。
と思いたくなります。
でも、
長期で考えると、
必ずしもそうとは限りません。
例えば、
A社は利回り5%。
でも、
利益が伸びず、
配当もほとんど増えない。
B社は利回り3%。
でも、
利益成長とともに、
配当を少しずつ増やしている。
10年、20年と保有するのであれば、
B社の配当が大きく育つ可能性もあります。
だからこそ、
月3万円を目指す段階では、
「今いくらもらえるか」だけでなく、「将来どれくらい育つ可能性があるか」
も少しずつ意識したいところです。
追加投資×再投資×増配
ここまでを整理すると、
配当金を育てる力は、
この3つです。
追加投資
自分の収入から新しい資金を投資する。
×
配当再投資
資産が生み出した配当金を再び投資する。
×
増配
企業自身に配当金を育ててもらう。
月1万円から月3万円へ進むときには、
この3つを組み合わせて考えることが重要になります。
どれか一つだけに頼らなくてもいい
例えば、
月3万円の配当を早く達成したいから、
毎月10万円を投資する。
それが無理なくできるなら、
一つの方法です。
でも、
無理をして投資額を増やす必要はありません。
毎月3万円を追加する。
配当金は再投資する。
増配企業を長く保有する。
時間を味方につける。
こうした方法でも、
少しずつ目標へ近づくことができます。
資産形成は、
短距離走ではありません。
自分が無理なく続けられる仕組みを作ること
の方が大切だと思います。
月3万円になると「配当の使い道」が広がる
月1万円と、
月3万円。
数字では3倍ですが、
生活の中で考えると、
少し意味が変わってきます。
年間36万円です。
例えば、
毎月3万円を生活費に使う。
年間の旅行費にする。
趣味の予算にする。
教育費の一部にする。
固定費を配当でまかなう。
あるいは、
36万円をすべて再投資する。
選択肢が、
かなり広がってきます。
年間36万円を再投資するとどうなる?
年間36万円の配当を、
すべて再投資するとします。
配当利回り4%なら、
単純計算で、
翌年以降の年間配当が、
約1万4,400円増えることになります。
月平均にすると、
約1,200円です。
つまり、
月3万円まで配当が育つと、
配当金そのものが、次の配当を作る力も少しずつ大きくなってくる
ということです。
月1万円のときよりも、
再投資の効果を実感しやすくなります。
でも、全部再投資しなくてもいい
年間36万円まで配当が育ったら、
すべて再投資しなければならないのでしょうか。
そんなことはありません。
例えば、
30万円を再投資。
6万円を旅行に使う。
18万円を再投資。
18万円を自由に使う。
あるいは、
36万円すべて使う。
どれも選択肢です。
資産形成を優先する時期なら、
再投資を多くする。
今の生活も楽しみたいなら、
一部を使う。
自分の状況に合わせて、
配当金の役割を変えていけばいいと思います。
「配当金で固定費を一つ消す」と考えてみる
月3万円という金額を、
もう少し具体的に考えてみましょう。
例えば、
毎月かかっている固定費の中から、
3万円分を配当でまかなう。
すると、
給与や事業収入から支払う生活費が、
実質的に3万円少なくなります。
年間では、
36万円です。
これは、
単純に資産額が増えるのとは、
少し違った感覚があります。
「自分が働かなくても、資産が生活費の一部を負担してくれる」
状態だからです。
月3万円を「自由に使えるお金」と考えてもいい
反対に、
生活費とは切り離して、
配当金はすべて自由に使う。
という考え方もあります。
月3万円あれば、
少し良い食事。
趣味。
旅行。
家族との時間。
自己投資。
いろいろなことに使えます。
資産形成というと、
どうしても、
「できるだけ使わず増やす」
ことに意識が向きます。
でも、
お金は、
増やすためだけにあるものではありません。
今の生活を豊かにするために使うことも、お金の大切な役割
です。
NISAを活用すると、配当を育てやすくなる
月3万円の配当を目指す場合も、
NISAは有力な選択肢になります。
通常、
課税口座で受け取る配当金には、
税金がかかります。
一方、
NISA口座で保有し、
所定の条件を満たして受け取る配当金は、
非課税になります。
年間36万円の配当で考えると、
税金の有無による差も、
月1万円の段階より大きくなってきます。
そして、
その差額を再投資すれば、
さらに次の配当を生み出すことができます。
長期で配当収入を育てるなら、
「いくら配当をもらうか」だけでなく、「いくら手元に残るか」
も考えたいところです。
課税口座で「手取り月3万円」なら?
年間36万円を、
税引後で受け取りたい場合は、
もう少し多くの配当が必要です。
税率を約20%として単純化すると、
手取り36万円には、
税引前でおおよそ45万円程度の年間配当が必要になります。
仮に45万円として計算すると、
| 配当利回り | 必要な投資額の目安 |
|---|---|
| 3% | 約1,500万円 |
| 4% | 約1,125万円 |
| 5% | 約900万円 |
税引前の月3万円なのか。
手取りで月3万円なのか。
ここは、
自分の目標を決めるときに、
区別しておきたいところです。
月3万円を目指して、利回りを上げすぎない
必要資産額を見ると、
「もっと高い利回りにすればいいのでは?」
と思うかもしれません。
例えば、
利回り4%なら900万円。
6%なら600万円です。
300万円も違います。
でも、
高い利回りだけを求めると、
減配リスクの高い企業へ偏ってしまうことがあります。
月3万円を達成することが目的になりすぎて、
ポートフォリオ全体の安全性を落としてしまっては、
長期の資産形成が難しくなります。
目標金額に自分の投資を合わせるのではなく、自分が納得できる投資を続けた結果として目標へ近づいていく。
そんな考え方も大切です。
月3万円になるほど「分散」も重要になる
月1万円から月3万円へ進むということは、
一般的には、
投資している資産額も大きくなっていきます。
例えば、
900万円を一社へ投資する。
その企業が減配したら、
配当収入全体が大きく減ってしまいます。
そのため、
資産が大きくなるほど、
企業。
業種。
収益構造。
配当時期。
などを分散することも考えたいところです。
ただし、
銘柄数を増やせばよい、
というわけでもありません。
自分が把握できる範囲で、
一つの企業に依存しすぎない状態を作る。
それくらいから考えてみてもよいと思います。
「あと何万円?」で考える
配当金月3万円を目指すとき、
900万円という必要資産額だけを見ると、
遠く感じるかもしれません。
そこで、
資産額ではなく、
年間配当額
で進捗を見る方法があります。
例えば、
現在、
年間配当15万円。
目標は36万円。
あと21万円です。
翌年、
18万円になった。
あと18万円。
その次は、
22万円。
あと14万円。
このように、
「あといくら配当を増やせばいいか」
で考えます。
少しずつ目標へ近づいていることが、
分かりやすくなります。
配当収入の成長率を記録してみる
年間配当額だけではなく、
前年からどれくらい増えたのかを記録するのも面白いと思います。
例えば、
前年20万円。
今年22万円。
増加率は10%です。
その増加の内訳を、
さらに見てみます。
新しく株を買った。
+1万円。
配当を再投資した。
+3,000円。
保有企業が増配した。
+7,000円。
合計、
+2万円。
こうすると、
「なぜ自分の配当金が増えたのか」
が見えるようになります。
「自分のお金」と「企業の成長」を分けて考える
これは、
配当収入を育てるうえで、
とても面白い見方だと思います。
配当金が増えた。
でも、
その理由が、
毎年たくさん追加投資したからなのか。
企業が増配してくれたからなのか。
配当再投資が効いてきたからなのか。
意味は少し違います。
資産形成の初期には、
自分の追加投資の影響が大きくなりやすいでしょう。
でも、
資産が大きくなってくると、
増配や再投資の影響も少しずつ大きくなってきます。
最初は自分が資産を育てる。やがて、資産自身にも少しずつ育ってもらう。
そんな変化を見るのも、
長期投資の楽しさの一つだと思います。
月3万円までのロードマップを作ってみよう
ここまでを、
一つの流れにしてみます。
STEP1 現在の年間配当を確認する
まず、
今の年間配当がいくらなのかを確認します。
STEP2 年間36万円との差を確認する
現在12万円なら、
あと24万円。
現在20万円なら、
あと16万円です。
STEP3 年間の追加投資額を決める
無理のない範囲で、
年間いくら投資できるかを考えます。
STEP4 配当を再投資する割合を決める
100%でも、
50%でも構いません。
STEP5 増配を期待できる企業も意識する
現在の利回りだけではなく、
将来の配当成長も考えます。
STEP6 年に一度、年間配当を確認する
どれくらい増えたかを振り返ります。
この流れを毎年繰り返します。
月3万円は「資産形成が動き始める」一つの節目
年間36万円。
ここまで来ると、
配当金の存在感も少しずつ大きくなってきます。
36万円を使えば、
生活のさまざまな支出を支えることができます。
36万円を再投資すれば、
さらに配当収入を増やす力になります。
そして、
保有企業が増配すれば、
自分が追加投資しなくても、
配当収入が増える可能性があります。
月1万円では、
「配当をもらえる楽しさ」を感じる。
月3万円では、
「配当が一つの収入源になり始める」
そんな感覚が少しずつ出てくるかもしれません。
ただし、月3万円を目指さなくてもいい
ここまで、
月3万円を目標として考えてきました。
でも、
すべての人が、
月3万円を目指す必要はありません。
月1万円で十分。
という人もいると思います。
反対に、
月5万円。
月10万円。
その先を目指したい人もいるでしょう。
大切なのは、
周りの人がいくら配当をもらっているかではありません。
自分にとって、いくらの配当収入があれば生活の選択肢が増えるのか。
そこから考えてみることです。
配当金を増やすことを競争にしない
SNSなどを見ると、
「年間配当100万円達成」
「月10万円達成」
といった情報を目にすることがあります。
刺激になりますし、
自分も頑張ろうと思えることもあります。
でも、
資産形成の条件は、
人によって違います。
収入。
生活費。
年齢。
家族構成。
これまで投資してきた期間。
すべて違います。
だから、
他の人と配当金額を比べる必要はありません。
去年の自分より、
少し増えた。
それだけでも、
資産形成は前へ進んでいます。
まとめ:月3万円は「追加投資だけ」で作らなくていい
配当金月3万円。
年間では、
36万円です。
配当利回り4%なら、
単純計算で約900万円の投資資産が必要になります。
決して、
小さな金額ではありません。
でも、
900万円すべてを、
自分の収入だけから作る必要はありません。
毎月少しずつ追加投資する。
受け取った配当金を再投資する。
利益を伸ばし、
増配してくれる企業を長く保有する。
追加投資 × 配当再投資 × 増配。
この3つを組み合わせながら、
少しずつ年間36万円へ近づいていく。
そして、
月3万円に到達したら、
そのお金をどうするかを自分で選ぶ。
さらに投資してもいい。
生活費にしてもいい。
家族との時間に使ってもいい。
自分の好きなことに使ってもいい。
配当収入が増えるということは、
単に証券口座へ入ってくるお金が増えることではありません。
「このお金をどう使うか」を自分で選べる余地が、少しずつ大きくなること
でもあります。
月1万円から、
月3万円へ。
一気に到達しなくても構いません。
今できる投資を無理なく続けながら、
企業と一緒に、
少しずつ配当収入を育てていく。
その時間も楽しみながら、
自分に合ったペースで進んでいければいいのではないでしょうか。
