FIREという言葉自体はアメリカ発ですが、最近は日本でもかなり浸透してきた印象があります。
ただ、ふと思ったのが「他の国ではFIREってどうなってるの?」ということ。
アメリカだけでなく、アジアやヨーロッパなど、世界のFIRE事情を調べてみました。
意外とその国ごとに文化や制度の違いがあって面白いです。
そもそもFIREはアメリカ発のムーブメント
まずおさらいですが、FIRE(Financial Independence, Retire Early)は1990年代のアメリカで始まった概念。
特に注目されたのは、2000年代後半に出版された『Your Money or Your Life』や『Early Retirement Extreme』などの書籍。
近年ではブロガー「Mr. Money Mustache」などの影響も大きいですね。
アメリカのFIRE事情はざっくりいうと:
- 退職後の医療費など自力で備える必要がある
- 高収入×節約で資産を一気に貯めるスタイルが多い
- 資産1〜2億円でFIRE達成というケースが多い
- 株式インデックス投資(VTIなど)中心
- 地域によって生活コストが大きく異なる(→引越しでコスト調整する人も)
アジアのFIRE事情(シンガポール・台湾・韓国など)
シンガポール
- 富裕層・投資意識が高く、FIREも関心がある
- 政府の年金制度(CPF)が強力で、FIREのベースになることも
- 不動産価格が高く、住居コストが課題
台湾
- FIREという言葉は浸透しつつあるが、まだ一部の人たちの動き
- 地方都市なら生活コストはかなり安く抑えられる
- 食費が安く、外食中心でも節約生活がしやすい
韓国
- 若年層を中心にFIREへの関心が急増
- 「ファストFIRE」や「YOLOリタイア」といった形も多い
- 高学歴・高ストレス社会からの脱出として注目されている
ヨーロッパのFIRE事情(北欧・ドイツ・イギリスなど)
北欧(スウェーデン・ノルウェー・フィンランド)
- 社会保障が手厚いため、FIREへの焦りは少ない
- ミニマルライフ×自然との共存で「スローFIRE」的な生活が多い
- 高税率社会だが、ベーシックインカムに近い制度があり安心感が強い
ドイツ
- FIRE層は比較的少ないが、貯蓄文化が強く、堅実なリタイア計画が多い
- 不動産を買わずに生涯賃貸で暮らす人も多く、固定費の柔軟性がある
イギリス
- FIREブロガーも多数存在し、一定の盛り上がりあり
- 物価が高いため「地方に移住」や「海外移住」でコスト調整する人も
- NHS(医療制度)の恩恵を受けられる点でリタイア後の不安は少なめ
旅行や移住とセットの「国際FIRE」も注目
海外のFIRE事例を見ていると「移住前提のFIRE」が意外と多いのも印象的でした。
- アメリカ→中南米、東南アジア
- ヨーロッパ→ポルトガル、スペインなど物価の安い国へ
- 日本でも沖縄・東南アジアなどへの移住FIREは一定層あり
日本と比べて物価が安い国に移れば、「必要な資産額」がグッと下がるという考え方です。
こうした「地理的アービトラージ」もFIRE戦略の一つと言えそうです。
まとめ:FIREは「その国の制度・文化」で変わる
世界のFIRE事情を見ていて感じたのは、その国の社会保障制度や文化が大きく影響しているということです。
例えば:
- 医療が自己負担のアメリカ→資産額重視のFIRE
- 社会保障が手厚い北欧→スローFIRE
- 物価が安い東南アジア→移住FIREで自由度UP
どれが正解というわけではなく、**「その人に合ったFIRE像」**を見つけることが大切だなと思いました。
