はじめに
「投資スタイル比較シリーズ」もいよいよ最終回です。
第1回では高配当株投資、第2回はインデックス投資、第3回は不動産投資を取り上げてきました。
今回は、投資を始めると必ずといっていいほど悩む 「個別株」「ETF」「投資信託」 の違いをFIRE目線で比較していきます。
個別株投資
特徴
- 特定の企業の株式を直接購入
- 配当や値上がり益をダイレクトに享受できる
- 自分で銘柄を選べる自由度が高い
メリット
- 高配当株や成長株を狙えば大きなリターンの可能性
- 株主優待などの特典も魅力
- 「自分が応援したい企業に投資する」という満足感
デメリット
- 分散が難しく、リスクが高い
- 企業分析に時間や知識が必要
- 値下がり時の精神的負担が大きい
それでも個別株をやる理由
理屈だけ見れば「ETFや投資信託の方が効率的」とよく言われますが、それでも個別株をやる人が多いのは 「投資が楽しい」 からだと思います。
- どの銘柄を買うか悩む時間もワクワクする
- 株主優待が届くと「投資していてよかった」と実感できる
- 企業について調べることで経済の勉強になる
- 経済ニュースに敏感になり、世の中の動きを意識するようになる
私自身も個別株をメインに投資していますが、「投資を通じて生活や視野が広がる」点が大きな魅力だと感じています。FIREを目指すうえで資産効率だけでなく、こうした「楽しさ」も続ける原動力になると思います。
ETF(上場投資信託)
特徴
- インデックスに連動するものが多く、株式のように取引所で売買可能
- 低コストで分散投資ができる
メリット
- 株式のように自由に売買できる機動性
- 配当金(分配金)を受け取れるETFも多い
- 世界株・セクター別など種類が豊富
デメリット
- 売買のたびに手数料が発生する場合がある
- 投資信託に比べて自動積立の仕組みがやや使いづらい
ETFは「分散+配当」を両立できるため、FIRE達成後の安定資産 として活用しやすい投資手法です。
投資信託
特徴
- ファンドマネージャーや運用会社がまとめて運用
- 少額から積立可能で、ほったらかし運用しやすい
メリット
- 自動積立で手間がかからない
- 分散投資がしやすい
- NISAやiDeCoとの相性が良い
デメリット
- ETFより信託報酬が高いものもある
- 基準価額は1日1回更新のため、株式やETFのようにリアルタイム売買できない
投資信託は「FIRE準備期」にコツコツ積立するのに最適です。FIRE後は取り崩し戦略との組み合わせが必要になります。
FIREとの相性まとめ
- 個別株:安定性には欠けるが、優待や学びなど「投資を楽しむ」という価値が大きい。資産効率だけでなく精神的な充実感が得られる。
- ETF:分散と安定収入を両立しやすく、FIRE達成後の柱になりやすい。
- 投資信託:積立投資に強く、FIRE準備期に最適。
まとめ
「個別株・ETF・投資信託」はそれぞれに強みと弱みがあり、FIREを目指すなら 時期に応じて使い分けるのが現実的 です。
- 準備期:投資信託でコツコツ積立
- FIRE直前期:ETFで分散と流動性を確保
- FIRE後:高配当個別株や配当型ETFで安定収入を重視
そして「投資を楽しむ」という意味では、個別株も大切な選択肢です。優待や学びを楽しみつつ、ETFや投資信託と組み合わせることで、効率と楽しさの両立が可能になります。

