はじめに
AI(人工知能)や自動化技術が急速に進展する中、働き方や情報、資産を取り巻く環境も大きく変化しています。
World Economic Forum の報告では、2025年までに多くの職務がAIによって一部または全体が変化する可能性があると示されています。
FIRE(経済的自立・早期リタイア)を目指すなら、資産形成だけでなく 「技術的変化・情報セキュリティ・仕事の変容」 にも備えておきたいところです。
1. 職の変化とFIREへの影響
(A) AIによる仕事・タスクの自動化
- ある調査によると、カナダでは31%の労働者が「AIによる変容が高い可能性のある職務」に就いていると報告されています。
- また、米国では2022年時点で19%の労働者が「最もAIにさらされやすい職務」に就いているというデータもあります。
- “将来の仕事”として、「AIに置き換えられる」ではなく「AIと共に働けるスキルを持つ」という視点が重要です。
FIRE目線での影響:
仕事を辞めて完全リタイアを目指す場合でも、技術変化によって「資産だけで生活が成り立たない」可能性が高まります。逆に、「働くことを選べる状態」にしておくことが、FIREの安心につながります。
(B) スキル・働き方の再設計
- 非定型業務・創造業務・人間関係を伴う業務のほうが、AIによる置き換えのリスクが低いとされています。
- したがって、FIREを準備する段階で「AIに代替されにくいスキル」「AIを活用できるスキル」を意識するのが賢明です。
2. 情報・セキュリティのリスク
- AIとデジタル技術の普及によって、情報漏洩・サイバー攻撃・プライバシー侵害のリスクが高まっています。
- FIRE後に自分で仕事をしたり、投資情報・副業・海外移住などを検討するなら、情報管理とセキュリティ対策は必須です。
- たとえば、海外口座・オンラインプラットフォーム・デジタル資産を扱う際には、二段階認証・資産分散・信頼できるサービスの利用が重要です。
3. 対策:FIREを守るためのテクノロジー対応策
・スキルアップ・リスキリング
AI・データ・クラウド・セキュリティなど、「デジタル時代に価値のあるスキル」を身につけておくと、FIRE後も働き続けられる選択肢になります。
・ポートフォリオ・収入源の多様化
技術変化によって収入モデルそのものが変わる可能性があるため、
- 投資収入+副業収入+スキル収入の組み合わせを持つ
- デジタル資産(暗号通貨・NFT・Web3)を扱う場合でも、リスク分散を忘れずに
・セキュリティと情報管理のルールを作る
- オンラインでの資産・パスワード・アクセス管理を整備
- フィッシング・マルウェア・詐欺の知識を更新し続ける
- オンラインプラットフォーム利用時の契約条件・逃げ道を理解する
4. まとめ
AI・テクノロジーの進化は、FIRE達成を後押しする側面もありますが、「変化に備える設計」ができていなければ、逆にFIRE達成後の安心を揺るがすリスクにもなります。
「技術がどう変わっても、“自分で選べる働き方・情報管理・収入源”を持つ」ことこそ、これからのFIREの鍵です。
これで「FIRE×リスク管理シリーズ 第2弾(拡張版)」の第4回分を完了しました。
次回は 第5回:生活防衛リスク ― 災害・物価高・家計ショックに備える現実的対策 に進みましょう。

